研究内容

社会の超高齢化が進み、認知症の患者数は今後さらに増加し2025年には700万人に達するとも推計されています(厚労省)。一方、薬物療法など狭い意味で医療の有効性は極めて限定的と言わざるをえません。アンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされぬ医療ニーズ)の調査(ヒューマンサイエンス振興財団)では、アルツハイマー病治療薬の満足度は主要60疾患の中で最下位でした。さらには前頭側頭型認知症など治療薬が全くない認知症も多く存在しています。
このような状況の中、私たちは認知症の診断治療法開発の突破口となる研究をすすめています。分子レベルの病態解明という基礎研究を行いながら、臨床家の視点で臨床応用への橋渡しを行います。試験管内、ヒトiPS由来神経細胞を含めた培養細胞、疾患モデル動物、ヒト剖検脳、ヒト血液・脳脊髄液、ヒト遺伝子や臨床情報などを対象とした研究を行っています。Physician scientist(研究医)ならではの役目として、bench(実験室)-to-bedside(臨床)およびbedside-to-benchとなる研究成果を目指しています。具体的な研究内容と成果は下記リンク先のページをご参照ください。

  • アルツハイマー病の根治的治療法の開発の有力ターゲットであるガンマーセクレターゼの機能解析とアルツハイマー病発症前診断マーカー開発
  • アルツハイマー病のタウ蛋白研究


難解な認知症の研究のためには多方面との協力は欠かせません。精神科の他グループと分野をまたいだ研究も行います。また国内外の大学や研究所と共同研究を行っています。国内外の製薬企業やベンチャー企業とbench-to-bed sideのための共同研究も行ってきました。
良い研究結果が得られたら大学院生は国際学会で積極的に発表してもらっています。これまで大学院を卒業した方のうちの多くが、海外(米国、ドイツ、スウエーデン、イギリスなど)の研究機関へ留学や研究就職をしています(2000年から2016年までで13人)。またこれまでに海外から大学院生(バングラデッシュ、中国、ポルトガル、キルギス、スペインなど)が当研究室に留学に来たり、海外の研究者(バングラデッシュ、カナダ)が当研究室で仕事をしたりしていました。