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人工心臓・心移植

外来担当医

人工心臓・心移植
小児心不全患者に対する人工心臓・心臓移植

心臓移植

心臓移植はこれまでの内科的・外科的治療では救うことのできない重症の心不全の患者さんを治療する方法で、すでに欧米では普及しています。日本では1997年10月にようやく「臓器移植に関する法律」が施行され、その1年4カ月後の1999年2月28日に日本で初めての心臓移植が当院で実施されました。それ以後、臓器提供者数は増えましたが、依然として 臓器提供が少なく、毎年年間の心臓移植件数は日本全体で40件前後にとどまっています。現在、日本では心臓移植を待機中の患者さんの数は500人を超えており、その方たちのほとんどが補助人工心臓を装着して心臓移植を待っておられます。

当院は、心臓移植実施施設に認定され、1999年2月28日に日本で初めての心臓移植を実施しました。この患者さんは1年以上強心剤の静脈投与が切れず、ベッドの上から起き上がれない状態が続き、最後の3ヶ月間は補助人工心臓を必要とする状態になっていました。しかし、心臓移植を受け、強心剤も補助人工心臓も必要なくなり、移植後9カ月目に職場復帰も果たされました。大阪大学では2016年10月現在で心臓移植実施件数が80件を超え、日本でも経験豊富な主要施設の一つとなっています。

この治療が行えるのは、ひとえにドナーの方とその御家族の尊い意思によるものです。この治療のおかげでこれまで治療できなかった重症の心不全の患者さんを救命できるようになりました。心臓移植を必要としている患者さんの数に比較すると、臓器提供される方の数はまだまだ少ない ですが、日本でも心臓移植が定着して多くの患者さんが助かることを期待しています。

本邦初の心臓移植実施風景(1999年2月大阪大学)

日本における心臓移植

補助人工心臓装着術

補助人工心臓は、弱った心臓のポンプ機能そのものを代行して、全身に必要な血液を送り出し、生命を維持する機械的な血液ポンプです。日本においては、心臓移植のための臓器提供が極端に不足しており、心臓移植が必要と判断されてから、心臓移植を受けられるまでに3〜4年待たないといけません。その心臓移植を待っている間、生命を維持する手段として左室補助人工心臓(LVAD:エルバド)を用います(Bridge to Transplantation:BTT)。左室補助人工心臓は体外設置型のNIPRO VADが主流でしたが、2011年春から植込み型補助人工心臓の使用が保険承認され、当院では多くの患者さんに植込み型補助人工心臓を使用しております。

大阪大学で使用された補助人工心臓

HeartMate IIは現在までに全世界で24,000例以上使用されている軸流型の植込型補助人工心臓で、本邦では2013年から臨床使用可能になりました。Jarvik 2000は2014年から保険償還された軸流型の植込型補助人工心臓で、ポンプ本体自体が心室内に植込まれるため、小さな体格の患者にも植込みやすいのが特長です。EVAHEARTは本邦で独自に開発された植込型補助人工心臓で、遠心ポンプを採用し、独自のクールシールシステムによる長期耐久性を確保し、高い流量性能(最大20 L/min)を有しております。

ニプロ/セント・ジュード・メディカル提供

センチュリーメディカル提供

「エヴァハート®」サンメディカル技術研究所提供

「エヴァハート®」サンメディカル技術研究所提供

植込み型補助人工心臓を装着した場合、自宅に復帰することも可能であり、心臓移植を待機している間の生活の質(QOL)も著しく改善します。その成績の良さ、QOLの高さから、心臓移植を受けられない患者さんにとって、心臓移植に代わる最終治療としての使用も海外で行われており、日本でも臨床治験が現在行われております(Destination Therapy:DT)。また左室補助人工心臓を装着し、自己の心臓を休ませることで、心機能が回復される方もおられ、そのような患者さんに対し補助人工心臓を取り外すこともあります(Bridge to Recovery:BTR)。

患者申出療養制度による植込み型補助人工心臓治療

耳介後部コネクターを用いた植込み型補助人工心臓の安全性に関する研究

この臨床研究は、重症な心不全であり心臓としては移植が必要であるが、心機能以外の理由により心臓移植の適応とならない患者さんに対して、日本では現在使用されていないJarvik2000の耳介後部モデル(経皮ドライブラインの先端が腹部からではなく、耳の裏の部分から出るモデル)をDTとして使用します。

この研究は患者さんから申出があり、実施する患者申出療養制度に則り実施されます。この研究機器は保険診療で認められていないため、患者さんの負担となりますが(本研究の保険外診療にかかる費用の合計は16,137,000円です)、研究期間中の検査や治療にかかる費用は通常診療と同じように健康保険を利用できることができます。詳しくはかかりつけの医師など身近な医療機関にご相談して下さい。

小児心不全患者に対する人工心臓・心臓移植の治療

小児期に発症する心疾患のうち、心筋の病気により心機能が悪化するような「心筋症」と呼ばれる病気があります。また、感冒様症状をきっかけに、心筋に強い炎症が起こり、突然心臓の機能が低下してしまうような「心筋炎」と呼ばれるような病気もあります。

いずれの病態も、重症化すると内科的治療では改善することがなく、心臓移植を必要とする場合があります。

心筋症の中には、拡張型心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症などがあり、特に拡張型心筋症は乳児期に発症する例も多く、重症化することが多い疾患で、心臓移植が必要となるケースが多く見られます。拘束型心筋症は肺高血圧を合併することが多く、また、突然死のリスクも高い病気ですが、内科的治療が難しく、早期に心臓移植の適応を考えなければならない場合があります。

2010年に臓器移植法が改正されてから、小児ドナーからの臓器提供が可能となり、小児の心臓移植が実施されるようになりました。また、2015年8月に小児用補助人工心臓Berlin Heart EXCOR®が保険償還され、心臓移植までの橋渡し治療としての補助人工心臓治療も行えるようになりました。

カルディオ提供

当科では、小児の心臓移植施設に認定されており、これまでに数多くの小児心臓移植、補助人工心臓治療を行なってきています。

学童期以降の患者さんには、積極的に植込型補助人工心臓の装着を行なって、移植待機期間のQOL向上を目指しています。

2017年2月までにBerlin Heart EXCOR® 10例、植込型デバイス9例、Nipro®2例の手術を行い、2010年以降11人が心臓移植、2人が心機能の回復で補助人工心臓の離脱をしています。

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