臨床ゲノム情報の共有等に係るELSIへの対応

ヒトゲノム情報や臨床情報の共有・取扱いでの適切な対応等、臨床ゲノム情報の共有とデータベース構築におけるELSIへの対応や倫理関連の諸問題に対しての研究を行っています。また、日本人疾患バリアントデータベース(MGeND: https://mgend.med.kyoto-u.ac.jp )へのデータ登録に伴う倫理面でのサポートを目的として、MGeND利用規定策定における提案や、登録方法の紹介・臨床ゲノム情報の共有等に係るELSI等について情報共有を行う「ヒトバリアントデータ研究倫理勉強会」を開催しています。更に、GA4GH等を通した国際連携への参画とともに、ゲノム情報共有ポリシー等の策定を目指しています。

概要

AMED(※1)臨床ゲノム情報統合データベース整備事業(臨ゲノ)では、日本人疾患バリアントデータベース(MGeND: https://mgend.med.kyoto-u.ac.jp)を2018年3月に公開し、疾患バリアントデータの登録受付を開始しました。

わたしたちは臨ゲノ・溝上班の支援を受け、国内ゲノム研究で蓄積されてきた貴重な未公開データ(レガシーデータ)や、網羅的解析(GWAS、WGS等)等で得られるヒトゲノム情報と、臨床情報の共有・取扱いでの適切な対応等、臨床ゲノム情報の共有とデータベース構築におけるELSIへの対応や倫理関連の諸問題に対しての研究を行ってきました。

その成果をもとに、MGeNDへのデータ登録を推進するためのデータ登録ガイダンス・登録申請書の作成や、適切なデータ利活用を推進するためのMGeNDデータ利用規定策定への提言等を行っています。また、2019年度より、MGeND登録方法の紹介や、臨床ゲノム情報の共有等に係るELSI等について情報共有を行う、「ヒトバリアントデータ研究倫理勉強会」を開催しています。

さらに、国際的なデータ共有を推進するための枠組みである、Global Alliance for Genomics and Health (GA4GH) 等を通した国際連携への参画とともに、日本の現状を踏まえたガイドラインやポリシー等の策定を目指しています。そのため国内外のバリアント・疾患関連データベースのデータ共有に関する規定に関する調査・分析により現状の把握と課題を検討を行い、データベースの標準データ共有ポリシー等を策定する事を目標に進めています。この研究は、2019年3月付でGA4GHの基幹プロジェクト(ドライバープロジェクト)の一つとして指定を受けた、日本のゲノム医療実現に向けたAMEDの成果を統合する「GEM Japan」プロジェクトの一環として取り組んでいるものです。

※1 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

実施体制

メンバー

加藤 和人 (大阪大学大学院医学系研究科・教授)
山﨑 千里 (大阪大学大学院医学系研究科・特任研究員)
山本 奈津子 (大阪大学データビリティフロンティア機構・特任講師)
大橋 範子 (大阪大学データビリティフロンティア機構・特任助教)

主な研究成果

①学術雑誌等における論文発表

  1. 藤田卓仙, 山本奈津子, 米村滋人. 遺伝/ゲノム情報の改正個人情報保護法上の位置づけとその影響. 情報ネットワーク・ローレビュー, 2017, Vol.15, 52-81.
  2. Yamamoto N, Fujita T, Kawashima M, Wittig J, Suzuki M, Kato K “The inclusion of genomic data in the 2015 revision of Japan’s Protection of Personal Information Act: protection of wider range of genomic data as our next challenge.” Journal of human genetics 63(4) 537-538, 29 January 2018
  3. Dyke SOM, Linden M, Lappalainen I, De Argila JR, Carey K, Lloyd D, Spalding JD, Cabili MN, Kerry G, Foreman J, Cutts T, Shabani M, Rodriguez LL, Haeussler M, Walsh B, Jiang X, Wang S, Perrett D, Boughtwood T, Matern A, Brookes AJ, Cupak M, Fiume M, Pandya R, Tulchinsky I, Scollen S, Törnroos J, Das S, Evans AC, Malin BA, Beck S, Brenner SE, Nyrönen T, Blomberg N, Firth HV, Hurles M, Philippakis AA, Rätsch G, Brudno M, Boycott KM, Rehm HL, Baudis M, Sherry ST, Kato K, Knoppers BM, Baker D, Flicek P, “Registered access: authorizing data access.”, European Journal of Human Genetics, volume 26, pages1721–1731 (02 August 2018)
  4. 山本奈津子,川嶋実苗,清水佳奈,片山俊明,荻島創一, 「〈続〉改正個人情報保護法でゲノム研究はどう変わるか? 」実験医学 36 No. 13(8月号)2018, p2260 – 2267

②学会・シンポジウム等における発表

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