ご挨拶

 

ご挨拶

 この4月からツインリサーチセンター,センター長を拝命しました酒井規夫です。このツインリサーチセンターは平成21年に国内で初めての双生児の研究センターとして設置され,今まで8年間の研究活動を行ってきました。双生児の研究は,古くはヒトの様々な形質や疾患がどんな風に遺伝子によって決まっているのかを知る方法として,人類遺伝学の基本的な研究手法として発展しました。しかしながらワトソン,クリックがDNAを発見してから,分子生物学は大腸菌やショウジョウバエなどを使って大きな発展を遂げ,最近ではマウスなどモデル動物の遺伝子改変によって遺伝学は大きな進歩を遂げています。

 しかしながら人間に関することはやはり人間を調べないとわからないことが多いことも最近わかってきています。そういう観点から,当センターは設立時から人に関する研究としてのツインリサーチに,DNA, RNAを含めた多くのサンプルを含む双生児の登録事業を行うことを大きな柱として行ってきました。そして,現在までに470組を超える双生児ペアの方のご協力を得て,一緒に双生児検診を受けていただき,様々な血液検査や血清,DNA, RNAのサンプル収集を行ってきました。また,研究者の目的によっては頭部MRIや機能的頭部MRIを行なったり,様々なアンケート調査を行ったりしています。

 そして,最近は遺伝情報としての全ゲノム情報を解析したり,遺伝子の発現レベルを知るエピゲノム情報を集めたり,腸内細菌叢の解析を行うなど世界的にも先進的な解析法を双生児研究に応用しているのです。我々は医学系研究科のセンターではありますが,学内の多くの研究科との共同研究を行い,また国内の理化学研究所,医薬基盤健康栄養研究所、情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター、慶應義塾大学などとの研究を推進し,海外のヘルシンキ大学やセンメルワイス医科大学などのツインセンター双生児研究チームとの共同研究も行なっています。

 今後は小児領域のツインの登録を進め,またツインのビッグデータ解析を目指すことにより,次世代の健康をデザインするセンターとして発展することをミッションとしたいと思っていますので,今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

大阪大学大学院医学系研究科附属

ツインリサーチセンター長

酒井規夫